乳酸菌発酵と糸状菌発酵の比較


乳酸菌発酵と糸状菌発酵の比較:発明品の根拠
抗酸化能を付与した「ウコン茶」の創出に関する研究報告書

(基礎編)
(1) 糸状菌によるウコンの発酵
(2) 乳酸菌によるウコンの発酵

はじめに

糸状菌にはアミラーゼ、プロテアーゼ等、酵素類によるデンプン質・高分子物質に対する水溶化作用並びに特有の香味及び色調等を賦与する機能がある。

近年我国においては、食品の西欧化と高級化に伴い、生体内で活性酸素が増え、過酸化脂質等が形成、その結果として代謝性疾患や癌、動脈硬化等の患者が急増していると言われている。

しかしながら、現状はこれらの患者に対する満足な予防や治療法はまだ確立されていないと言える。

このような状況下にあって、我々は抗酸化能を有する素材で過酸化脂質等の形成を制御することを目的として、糸状菌を使用してウコンを発酵処理、当該ウコン中の難水溶性成分等を水溶化、抗酸化能を発言させる技術を開発、特有の機能もプラスした新規の「ウコン茶」創出を試みる研究に着手した。
尚、性能比較の為、乳酸発酵によるウコンの処理も同時に実施した。


実験方法(概要)

1kgのウコンに所定の培地成分を添加、水分調整後、固体培地用ガセット袋に仕込み、殺菌工程(但し糸状菌発酵の場合のみ)を経た後、冷却、種菌を接種、培養した。


糸状菌発酵
乳酸発酵
培養方式
好気性発酵
嫌気性発酵
発酵温度
25℃
30℃
培養日数
21日間
7日間以内
培地の含水量
60%
65%


製茶工程

培養 → 乾燥 → 焙煎 → 粉砕 → 混合 → ティーパック化


抗酸化活性能の比較

生体内では活性酸素が生成、反応性に富んでいる為、過酸化脂質等を作って細胞を直接あるいは間接的に傷つける。そして細胞内での活性酸素反応の蓄積が結果的に老化に繁がり、癌や動脈硬化等の病気の発生に関与しているとの研究報告が学会等で発表されている。

そこで、細胞質内の活性酸素を制御するSOD酵素(スーパーオキシドディスムターゼ)又はSOD様食品素材(ラジカル消去作用を有する抗酸化物質)が最近脚光を浴びている。

「ウコン」そのものは、SOD能はそれ程高いものでもないが、適正な糸状菌等で処理する事により、ラジカル消去作用が発現して抗酸化能が高くなる。このラジカル消去作用は、DPPH法によって測定可能で、以下にウコン及び試作品等の抗酸化データを示す。(DPPH吸光度が50%以下の場合良好と判断する)

サンプル名
DPPH吸光度
抗酸化能判定
参考(クルクミン量)
秋ウコン
82%
X
44g/kg
春ウコン
98%
X
22g/kg
発酵ウコン茶(乳酸発酵)
52%
20g/kg
発酵ウコン茶(糸状菌発酵)
12%
32g/kg

クルクミン含有量と抗酸化能は直接の相関性がみられない様に思われるが、肝機能作用面から考慮してクルクミンは重要成分である。ウコンの発酵過程でクルクミン成分の減少傾向があるので、発酵プロセスの管理が必要、クルクミン含有量を可能な限り保持する事がキーポイントとなる。


主な成分の比較

成分
秋ウコン
春ウコン
乳酸発酵
糸状菌発酵
カルシウム
94mg/100g
130mg/100g
646mg/100g
1200mg/100g
クルクミン
44g/kg
22g/kg
20g/kg
32g/kg
リン
128mg/100g
39mg/100g
626mg/100g
592mg/100g
タンニン
2.4g/100g
2.8g/100g
3.6g/100g
2.7g/100g
タンパク質
7.4%
8.1%
11.6%
17.3%
評価は「カルシウム分」及びクルクミン」の含有量で行う。糸状菌発酵が、基準成分量でみると乳酸発酵ウコン茶と比較して高く良好と判断される。


結論

糸状菌によるウコンの発酵処理品は、乳酸の発毒ウコン茶と比較して抗酸化能の結果から薬理効果等が優れているものと想定される。



発明の詳細な説明

【0001】発明の属する技術分野

本発明はウコン食材の製造方法に関する。より詳しくは、ウコン特有の苦みを除去した容易に喫食可能で、しかも抗酸化性を有するウコン食材、たとえばウコン茶を提供する事ができる製造方法に関する。


【0002】従来の技術

近年、我国においては、食生活(食品)の生活の西欧化と高級化に伴い、生体内で活性酸素発生しやすくなっており、その結果、過酸化脂質等が容易に形成され、代謝性疾患やガン動脈硬化等の患者が急増していると言われている。

したがって、これらの疾患に対する予防法(薬剤関係を含む。以下、同様である。)や治療法の確立が急務とされ、しかも高い安全性の見地から当該予防法や治療法の研究や検討がなされている。


【0003】

このような状況下、従来カレー粉の主原料として使用されてきたウコンが優れた肝機能改善作用を有する天然植物材料として、近年着目されている。ウコンは生姜化の多年生殖物で、主にインド、東南アジア、中国及び沖縄など熱帯地方から亜熱帯地方にかけて栽培されている植物である。

そして、当該ウコンは、クルクミンや精油成分等を含んでおり、古くから漢方薬の一種として、肝臓炎、腎臓炎、胆道炎、胆石症および胃炎等における治療薬あるいは強壮薬として用いられてきた。
しかしながら、ウコンは特有の苦み成分を有しており、そのまま食用したり、あるいは長期的に使用したりすることは困難であるという間題が見られた。


【0004】

そこで、特開平8-214825号広報には、ウコンに穀類の精穀残渣および糖類を加え、乳酸菌あるいは乳酸菌および酵酵母を培養基として加えて発酵させるウコン食材の製造方法が開示されている。

より具体的には、ウコンの根茎を乾燥したものに米ぬか、ふすま等の穀類の精穀残渣および糖類を加え、ストレプトコッカス、サーモフィラス、およびラクトバチルス等の乳酸菌あるいは乳酸菌および酵母を培養基として加えてウコンを発酵させ、これを加熱乾燥することを特徴としたウコン食材の製造方法である。


【0005】解決しようとする課題

しかしながら、特開平8-214825号広報に開示されたウコン食材の製造方法では、ウコン特有の苦み成分の除去が不十分であるという問題があった。また、当該製造方法を用いてウコンを発酵させると、ウコンに含まれる肝機能改善作用を有すると推定されているクルクミン量が減少してしまうといる問題があった。


【0006】

また、当該製造方法は、ウコンを発酵させるために乳酸菌を用いているが、当該乳酸菌は雑菌に汚染されやすく.容易に死滅するため、短期間で発酵を行う必要があるという問題があった。

さらに、当該広報に開示された乳酸菌を用いる製造方法では、優れた抗酸化性を有する、すなわち活性酸素を容易に抑制させるようなウコン食材を提供することは困難であった。


【0007】

そこで、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、ウコンに糸状菌を加え、発酵させることにより、クルクミン量の減少を可及的に少なくし、すなわちウコンが有する肝機能改善作用を維持したまま、上記ウコンにおける苦み成分を除去できることを見出し、本発明を完成させたものである。


【0008】課題を解決するための手段

すなわち、本発明は、ウコン食材の製造方法であって、ウコンに糸状菌を加え、当該ウコンを発酵させることを特徴とする。
このようにウコン食材の製造方法を実施することにより、糸状菌が有するアミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素の働きにより、ウコンが有する苦み等の原因である精油成分やその他の高分子物質(難水溶性成分)を効率的に分解し、低分子量化(水溶化)させることができる。

したがって、ウコンが有する肝機能改善作用を維持したまま、ウコンが有する特有の苦み成分を十分に除去することができる。また、発酵の培養基として使用する糸状菌は生存率が高く、長期間にわたって発酵させることが出きるため、生産管理が容易である。さらに、糸状菌を加えてウコンを発酵させることにより、抗酸化性を有する、すなわち活性酸素を容易に取り込み、当該活性酸素に対して優れた抑制効果を発揮できるウコン食材を提供することができる。






    





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